表面処理 めっき・TGV

難めっき材へのメタライズ

通信技術の発展に伴い,エレクトロニクス製品におけるデザインが大きく変化しています。伴って使用する基幹材料に求められる特性も多様化し,様々な材料が開発され使用されはじめています。KOTOではエレクトロニクス分野で今後採用が見込まれる材料にめっきで金属を成膜するご協力をさせていただきます。

無機材料: ガラス,セラミックス
有機材料: ABS 液晶ポリマー シクロオレフィンポリマー ナイロン etc.

1.ガラス上へのめっき、GWC(Glass Wet Cu Plating)、TGV(貫通穴ガラス)

GWC:
現行のガラス基板での金属膜形成法において、密着強度が弱い、立体成形物への均一な成膜、表面粗化の必要性、耐熱性など様々な課題があります。
我々が開発した加工プロセス「GWC」は、これらの課題を大幅に改善できる江東電気独自の金属皮膜形成加工プロセスです。各種ガラス上に、湿式法によりガラスを粗化させることなく、強い密着性を有するCu(銅)皮膜の成膜が可能です。

密着強度:
GWCプロセスを用いて各種ガラス上に銅めっきを施すことにより、下表に示す密着強度が得られます。無アルカリガラスに0.8kN/m以上の密着強度が得られており、ガラスサブストレットに採用することが期待できます。また石英に銅皮膜を成膜することにより高周波用基板に使用されることが期待できます。

無アルカリガラス 0.8 kN/m
ホウ珪酸ガラス 0.5 kN/m
石英 0.3-0.4 kN/m

TGV基板 Cuめっき皮膜付きまわり:
TGVには様々なVia形状があります。GWCプロセスは湿式法のため、どのような形をしたViaにも均一に銅を成膜できます。Aspectratio 20まではめっき可能です。

高密度TGV基板への適用:
X-ray CTを用いて銅めっき後のTGV基板を観察した画像です。高い密度のTGV基板に均一に銅を成膜できます。

細線パターン:
ガラスの平滑面を損なわず、ファインパターンの形成が可能となります。また、TGVを介してしっかりと表裏パターンが接続されています。

ガラスチューブへのめっき:
ガラスチューブなどの異形状の材料でも、内面・外面に導電膜・反射膜の形成が可能です。

極めて細かいガラス素材へのめっき(粉体):
樹脂・ガラスなどの直径数~数十 ㎛程度の粉体に対して、均一な導電膜を付与することが可能です。

2.セラミック上へのメタライズ(めっき)技術

各種セラミックス上に印刷したAgメタライジング上にNi/Sn, Ni/Au, Ni/Agなどのめっき加工が可能です。

発表一覧

採用実績

タッチパネル

インターポーザ

イメージセンサー

LED

高周波アンテナ

RFデバイス

将来期待されるアプリケーション例

5Gによる遠隔手術(オンライン手術)

5Gによる車間通信

微小・小型品へのめっき

スマートフォンやタブレット,自動車にロボットなどの発展により,電子部品の小型化と多機能性が求められ,加えて生産性ならびに品質の安定性は向上も望まれています。
KOTOでは,長年培ったバレルを用いた小型品へのめっきをはじめ,超極小な各種部品へめっきする技術があります。少量試作品から可能な限り一度に多数なめっき対応をさせていただきます。

めっきの種類

ニッケルめっき

特性 ・外観は銀白色
・耐食性に優れている
・適度な硬度を持つ(無光沢浴:HV 200前後、半光沢及び光沢浴:HV 500前後)
・応力:一般的に引張り応力
・浴組成、添加剤濃度、電解条件により柔軟性を持たせたり、応力を小さくするなど、広範囲の物理的機械的性質の皮膜を得ることができる
浴種 ・無光沢ニッケルめっき浴(ワット浴)
・半光沢ニッケルめっき浴(ワット浴)
・ウッドニッケルストライク浴
・スルファミン酸ニッケル浴
製法 ・バレルめっき
・引っ掛けめっき
用途 車載用・航空機用電子部品、圧力センサー等に使用される気密端子部品(鉄鋼材料)の防錆処理及び各種金めっきの下地めっき

金めっき

特性 ・耐食性に優れている
・均一電着性に優れている
・接触抵抗が低く、帯電性が良い。半田付け性が良い硬質金めっき
・Au:99. 7%、Hv 200前後、耐摩擦性に優れている軟質金めっき
・Au:99. 99%、Hv 80前後、ボンディング性に優れている
浴種 ・ストライク金めっき(酸性浴)
・硬質金めっき(酸性浴、接点材料・コネクター用)
・軟質金めっき(中性浴、ボンディング用)
製法 ・バレルめっき
・引っ掛けめっき
・自社設計装置による部分金めっき
用途 ・車載用・航空機用電子部品、圧力センサー等に使用される気密端子のボンディング及びコネクター用の仕上げめっき
・自社設計にて部分金めっき装置を導入し、めっき加工を行っている

銅めっき

特性 ・腐食に強い
・軟らかく、延展性が良い
・熱伝導性、電気伝導性が良い
・各種めっきの下地めっきとして幅広く用いられている
浴種 ・強アルカリ浴
・酸性浴
・ピロリン酸浴
製法 ・ラックめっき
・バレルめっき
・引掛けめっき
用途 各種材料へのめっきとして多く用いられており、用途に合わせた浴種の選定加工、電子基板材料や意匠性目的にも採用可能

無電解ニッケルめっき

特性 ・電気めっきと異なり、電源等が不要
・被めっき物に接点が不要
・均一析出性に優れている
・皮膜が硬く、耐摩擦性に優れている(N-i Pめっき後:Hv 500前後、熱処理後:Hv 1000前後、N-i Bめっき後:Hv 700~800程度)
・電気ニッケルめっきと比較すると、ピンホールが少ない
・応力:一般的に圧縮応力
・半田付け性、ボンディング性が良い(N-iB)
浴種 ・無電解ニッケル-リンめっき浴(中リン浴)
・無電解ニッケル-ボロンめっき浴
・無電解ニッケル-リンめっき浴(鉛フリー浴)
・無電解ニッケル-ボロンめっき浴(鉛フリー浴)
製法 ・バレルめっき
・引っ掛けめっき
・その他
用途 車載用・航空機用電子部品、圧力センサー等に使用される気密端子の防錆処理及び各種金めっきの下地めっき

無電解金めっき

特性 ・耐食性に優れている
・均一電着性に優れている
・接触抵抗が低く、導電性が良い
・半田付け性が良い
・電気接点が不要である
・電子部品の高密度化に伴う微細配線形成等に適している
浴種 ・置換型無電解金めっき浴
・厚付け置換型無電解金めっき浴
・自己触媒型無電解金めっき浴
製法 ・バレルめっき
・引っ掛けめっき
・その他
用途 航空機用表示管のコネクター部分へのめっき

錫めっき

特性 ・半田付け性に優れている
・素材によって浴種を選定可能
・潤滑性が良い
・環境負荷低減、各種規制対応に適している
・ウイスカ発生の抑制
浴種 ・中性錫めっき浴
・酸性錫めっき浴
製法 ・バレルめっき
用途 コンデンサー、インダクター部品の接点部へのめっき

これらのめっき種類以外にも、はんだめっき、銀めっきなどの加工も可能です。お客様のご意見に沿っためっきをご提案させていただきます。

加工ライン・装置・解析

少量試験が可能なビーカー試験から,大型製品にご対応できるめっきラインにより各種ご依頼に対応が可能です。

分析・検査

皮膜硬さ計 / 密着強度試験機 / パーティクルカウンター / パイロットライン / ICP発光分光分析装置 / 走査型電子顕微鏡 / デジタルマイクロスコープ / HASTチャンバー / ソルダーチェッカー / 蛍光X線膜厚計 / Heリークディテクター / CVS分析装置 / 分光光度計 / 高出力紫外線照射装置 / BOX炉

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